本方は、熱症状が激しく体液の欠乏している場合に用いる処方です。口渇(こうかつ)を目標として用いますが、悪寒(おかん)を伴いません。例えば糖尿病の初期で体力がまだ低下していないときによく用いられます。 同じく口渇(こうかつ)に用いる処方に、八味丸(はちみがん)や五苓散(ごれいさん)がありますが、八味丸(はちみがん)は漢方でいう「腎虚(じんきょ)」(腎の機能低下、老化現象)に適応するものであり、夜間多尿などの症状を伴います。
また、五苓散(ごれいさん)は全身の水分代謝が、うまくいっていない場合で、熱症状や体液不足は伴いません。
漢方でいう「腎」は単純に腎臓だけではなくて、泌尿器、生殖器、副腎などの機能も含んでいます。腎の力が減退すると、1.骨格が粗くなり腰脚の力が弱くなり、歯も悪くなる。2.造血力や頭脳の活動の低下。3.耳鳴り、難聴。4.排尿困難。5.毛髪の衰え。6.慢性の下痢や早朝の下痢。7.精力減退、インポテンツなどの症状が表れてきます。
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