本方は、まず気管支炎や気管支ぜんそくの、咳に用いられますが、本方の適応するのは、湿性の咳嗽(がいそう)でゼイゼイ、ゴホゴホといった喘鳴(ぜんめい)を伴うことが多く、からぜきや乾性の咳嗽あるいは粘液性、膿性の喀痰(かくたん)を伴う咳嗽には適応しません。この場合には前者には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)や半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を、後者には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)や柴陥湯(さいかんとう)を考えます。 本方は、またアレルギー性鼻炎によく用いられます。くしゃみ、鼻水などの、分泌液の多いものを目標にします。本方の適用する症状があるにも係わらず、充分に効果の出ない、アレルギー性鼻炎には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を用います。
本方を、自然発汗・盗汗(ねあせ)のある虚弱体質者に用いると過度に発汗して、体力を消耗させることがあります。この場合には、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)を考えます。
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