春日村での薬草染めは第1回伊吹山薬草サミットが春日村で開催されたおり、村内に多い薬草を利用 した薬草染めの技術が染色専門家の所鳳弘先生により導入され、指導が行われました。
薬草染めは春日薬草村の目玉行事の一つに取り入れられ、都市との交流事業や村内の教養事業とし
て発展して来ました。
こうした背景から「春日の里・ふれあい倶楽部」と村役場の職員で古くから伝わる伝承薬ともいうべき
「伊吹百草」を利用しての薬草染めで自然色を出すことに成功し、薬草染めが春日村の地場産業の
一つとして芽生え定着し、大垣市との交流事業や森の文化博物館の事業(森の薬草染め体験会)など
として取り入れられてきたのです。ここでは染色文化の原点を体験することができます。
「絹スカーフの染色基本」
染色材料の薬草を約5〜10センチに刻み、お湯で炊き出します。沸騰してから30分程よく煮出し、
煮出した薬草の汁を細かい布で漉します。この液が染色に用いる染液です。
この煮出し滓は再度鍋に戻し3〜4回繰り返して同様に染液をつくりすべて合わせ、染液は冷まして
おきます。染めたい素材のスカーフは前もって湯につけ糊や汚れを落としておきます。
スカーフに模様を付けたいときは布をたたみ箸などで挟んだり、布の一部を摘まんでゴムで縛ると模様
となります。染液を加温しながらスカーフを泳がせるように10〜20分染め、染めたスカーフをザーと
水洗いし媒染液に泳がせるように10分浸け、次いで水洗い、染液にもどし、100℃まで加熱し、5〜
10分かけてゆっくり冷やします。よく水洗いし、乾燥して仕上がりです。
「薬草染めの素材として好ましいもの」
木本類の枝や幹(サクラ、ウメ、ツバキ、スギ等)
漢方用薬草(アカネ:根、オウレン:根茎、クズ:葉等)
伊吹百草(イブキジャコウソウ、トウキ、ドクダミ、ヨモギ、ゲンノショウコ、クロモジ、ウツボグサ、キハダ)
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