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水野瑞夫/家庭の民間薬・漢方薬、一般社団法人和ハーブ協会/和ハーブ図鑑、A・シエヴァリエ/世界薬用植物百科事典、牧野富太郎/日本植物図鑑、原色高山植物大図鑑、原色日本薬用植物図鑑、原色日本樹木図鑑、伊澤一男/薬用カラー大事典、橋本郁三/食べられる野生植物大事典、田中孝治/薬になる植物百科、水野瑞夫/食効、所鳳弘/薬草染、山渓/日本の野草・樹木・高山植物、山渓/樹に咲く花1・2・5・8、山渓/野草の名前春・夏・秋冬、木の大百科、木の名の由来、植物名の由来、園芸植物名の由来、草木染、続草木染
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ブンゴウメ        (バラ科サクラ属:落葉性低木:樹高 ~3メートル:花期 ~3月)

薬効
かぜ 食欲増進 健胃      
 
分布生育場所

科名:バラ科/属名:サクラ属
和名:豊後梅/生薬名:鳥梅(うばい)/学名:Prumus mume var.bungo
中国中部原産の落葉低木
日本には奈良時代に薬用として渡来
北海道~九州まで日本全国で果樹や観賞用として栽培されているて、九州の一部では野生化している

梅の園芸品種で花梅の雲竜梅(香篆/コウテン)
ウメ(梅)の園芸品種/紅梅系鹿児島紅


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見分け方・特徴

ブンゴウメは、果実として栽培されるウメの一品種で、ウメとアンズの中間種の説もあり、ウメより全体に大型で、香りは少ないが樹勢は強い、落葉小高木~高木、大きいものでは高さ5~6メートル、幹20~30センチにもなる
樹皮は、暗褐色で不ぞろいな割れ目が多い
枝は、新枝は紫色で無毛~少し毛がある
葉は、互生、楕円形、長さ5~10センチ、幅4~6センチ、先端は急に尖り、葉縁には細鋸歯がある、ブンゴウメの葉は他のウメより少し大きい
花は、2~3月頃葉の展開する前に、前年枝の葉腋に直径2.5~4センチの花が1~3個つける
色は淡紅色、紅色~白色、一重で5弁花や八重咲きなどの花梅(ハナウメ)もある
雄しべ多数、雌しべ1本、がく片は赤紫色
果実は、球形で大型で直径約5センチ、黄赤色に熟し赤褐色の斑点がある

果実は食用にして、実梅の豊後系としては、花梅もあり、「ミカイコウ」、「ヨウキヒ」、「オオミナト」などの品種がある


採集と調整
熟す直前のいわゆる青ウメを梅干しや梅酒、梅肉エキスの材料にする

ウメの、生薬の鳥梅(うばい)は、未熟な青梅をわらを燃やした煙をあてて薫製(くんせい)にしたもので、外面が真っ黒で、こわれやすく、ほぼ2~3センチの球形であらいしわがあって、酸味が強い


薬効・用い方
有効成分は、ウメの果肉の酸味は、有機酸のクセン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸で、そのほかには、トリテルペンのオレアノール酸なども含まれる

かぜには、鳥梅(うばい)を水洗いして1~2個を水0.2リットルで約2分の1ほどに煎じ、熱いうちに飲むと効き目があります。
また、梅干し1~2個をガス火で金網にのせ、黒くなるまで焼き、熱いうちに茶碗に入れて熱湯を注ぎます。シュウと音を立てて梅干しが崩れますが、これを湯ごと飲むのもよい方法です。

梅肉エキス:青梅をすり潰して、布で汁を絞り、この汁を弱火でゆっくりと煮詰めて飴状にしたものが梅エキスです。または、鳥梅(うばい)1個を、とろ火で煎じて飲用。これは、消化器系伝染病に強い殺菌力があり、健胃、食あたり、暑気あたりなどに良く効き、旅行など旅の常備薬として役に立ちます。

梅干し:日本固有の嗜好品で健康食品の代表といえます。解熱、鎮痛作用があり、含まれるクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸が多いため、清涼感があって食欲を増進し、唾液や胃液の分泌を促進するので健胃薬ともなります。
完熟手前の青梅を塩で漬けて、日に干してからシソの葉で漬け、紅く染めてから、今一度天日で干します。

梅酒:傷のない青梅1~1.2キログラムを水洗いして、水切りしてからよく乾いたふきんで完全に水気を除き、容器にグラニュー糖400グラム、ホワイトリカー1.8リットルとともに入れ、ふたをして冷暗所におき、半年から1年後に、こしてから飲みます。
中国の青梅酒(ちんめいじょう)は青梅の果実のみを濁り酒に漬け、それに水と砂糖を加えて、2時間ほど煮て冷めてから、こして仕上げたもので、これも健康酒です。


その他
名の由来は、ウメの樹が中国から日本に渡来する以前には、鳥梅(うばい)が薬用として中国から入ってきていた
万葉の歌に出てくる、「鳥梅(うばい)」、「宇梅(うばい)」は、真っ黒な薬のことで、この鳥梅(うばい)の名の中国読みが「ウメイ」で「ウメイ」が転嫁(てんか)してウメになったという説がある
また、平安時代には、ムメと呼ばれて、江戸時代から明治の頃まで、ムメと呼ばれていたという

ウメの学名プルヌウス・ムメ(Prumus mume)は、江戸時代に長崎に来ていたシーボルトが、当時日本で呼ばれていた名をそのまま学名にしていることから、江戸時代には、ウメはムメと呼ばれていたことが知られる


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Photo Masayuki Tsuno
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