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水野瑞夫/家庭の民間薬・漢方薬、一般社団法人和ハーブ協会/和ハーブ図鑑、A･シエヴァリエ/世界薬用植物百科事典、牧野富太郎/日本植物図鑑、原色高山植物大図鑑、原色日本薬用植物図鑑、原色日本樹木図鑑、伊澤一男/薬用カラー大事典、橋本郁三/食べられる野生植物大事典、田中孝治/薬になる植物百科、水野瑞夫/食効、所鳳弘/薬草染、山渓/日本の野草・樹木・高山植物、山渓/樹に咲く花1･2･5･8、山渓/野草の名前春･夏･秋冬、木の大百科、木の名の由来、植物名の由来、園芸植物名の由来、草木染、続草木染
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【監修】一般社団法人 和ハーブ協会
 

ヒメコウゾ               （クワ科コウゾ属：落葉低木：樹高 ～5メートル：花期 ～5月）

薬効
利尿 薬用酒
分布生育場所

科名：科/属名：コウゾ属
和名：姫楮/別名：コウゾ/学名：Broussonetia kazinoki
本州、四国、九州の奄美大島の山地、林縁、丘陵
朝鮮半島、中国南部に分布


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見分け方・特徴

雌雄同株の落葉低木で高さ2～5メートル
樹皮は褐色、樹皮から和紙をつくる。葉は、互生、卵形～卵円形～2～3裂するものまであり、長さ4～10センチ、幅2～5センチ、質は薄く葉縁には粗い鋸歯（きょし）がある
花は、4～5月、新枝の上部に雌花序数個、下部に雄花序数個をつける
雌花序は柄が短く直径約5ミリの球形、赤紫色の花柱がある、雄花序は直径約1センチ多数の雄花がある
花後、直径約1.5センチの集合果が6～7月に橙赤色に熟して食べられる
採集と調整
果実は、6～7月に橙赤色に熟した頃に採取
枝葉は、6～10月に採取して天日で乾燥させる
漢名は、小構樹（しょうこうじゅ）
薬効・用い方
橙赤色に熟した果実約400グラム、35度のホワイトリカーに4～6ヶ月漬けて材料を引き上げ、濾してから熟成させて滋養強壮に
また、レモンや氷砂糖を適量入れる

枝葉は、むくみなどの利尿に、1日量10～15グラム、水0.4リットルで半量まで煎じて3回に分けて服用
その他
名の由来は、古くから和紙の原料として栽培されていた、カジノキと日本に野生するヒメコウゾの雑種が、栽培されるコウゾ（和紙の原料/雌雄異株）といい、コウゾより小型で野生するコウゾと区別するのでヒメコウゾの名になった

コウゾの名は、1690年来日したドイツのエンゲルベルト・ケンベルの「日本史（にほんし）」に、コウゾの名があり、「野生の楮（こうぞ）は、製紙の原料としてはあまり上等でない」という記述がある

小野蘭山（おのらんざん）の、「本草綱目啓蒙（ほんぞうこうもくけいもう・1803）」では、ヒメコウゾとコウゾを区別して、「一種ヒメコウゾあり、山中に自生多し、木の高さ丈許り、葉は狭長にして柔毛あり、皮を用いて粗紙に作る、是もまたコウゾなり」という記述がある
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Photo Masayuki Tsuno
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