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シュロ                      (ヤシ科シュロ属:常緑高木:樹高 〜10メートル:花期 〜6月)

薬効
鼻血(はなぢ) 高血圧
分布生育場所

科名:ヤシ科/属名:シュロ属
和名:唐棕櫚/学名:Trachycarpus wagnerianus
九州南部の原産で、日本で栽培されるヤシ科の植物では最も耐寒性が強く各地で植栽。


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見分け方・特徴

シュロは、常緑の高木で、幹は直立して10メートルにも達し、幹には古い葉鞘(ようしょう)の繊維が残って幹を覆います。さらに、古くなるとその繊維も脱落して、なめらかな木肌が露出して葉跡が残り、それが節のように見えます。
葉は、幹の頂部に20〜30枚が集まってつき、四方に広がって長い柄の基部は大きな葉鞘(ようしょう)になって幹を抱きます。
葉身の大きさは70〜80センチで、丸く扇状30〜50に分裂して、裂片の葉質は革質で硬く強く、ほとんどが上半分の位置で折れ曲がって下方に垂れ下がっています。
雌雄異株(しゆういしゅ)で、初夏に葉の間から大型の花枝を出して黄色の小花が無数に密集します。
雄花は雄しべ6本、雌花には雌しべ1本で、雌株は熟すと白粉をかぶった黒藍色の肝臓型をした槳
果(しょうか)をつけます。

シュロに良く似たトウジュロは中国の原産で、日本でも広く栽培されていて、葉はシュロより小型で、葉の裂片は折れて垂れ下がることが無いのでシュロと区別ができます。

採集と調整
シュロは各種を薬用にしますが、葉を乾燥したものを棕櫚葉(しゅろよう)、果実を乾燥したものを棕櫚実(しゅろじつ)、4〜5月ころの雄花と雌花の若い花穂(かすい)を乾燥したものを棕櫚花(しゅろか)、葉鞘(ようしょう)の基部で幹にまきついている皮を乾燥したものを棕櫚皮(しゅろひ)、根を乾燥したものを棕櫚根(しゅろこん)として用います。


栽培:春に種子をまくと発芽後4〜5年目から幹が立ちはじめます。
本州の中部以南では、戸外で十分に栽培することができます。

薬効・用い方
棕櫚葉(しゅろよう)、棕櫚実(しゅろじつ)、棕櫚花(しゅろか)は、すべて高血圧に効き目があり、脳出血の予防や高血圧の治療に茶剤として民間で用いられています。
各、棕櫚葉(しゅろよう)1日量6〜15グラム、棕櫚花(しゅろか)1日量5〜15グラム、棕櫚実(しゅろじつ)1日量8〜15グラムに水0.4リットルで煎じて2分の1量まで煮つめて1日3回に分けて食間に服用します。

棕櫚皮(しゅろひ)と棕櫚根(しゅろこん)は止血薬として用い、鼻血の止血には黒焼きにしたものを直接鼻の穴に入れると効き目があるとされます。


中国では、トウジュロをシュロと同様に薬用に用いますが、そのほかに心材(しんざい)を強壮薬としても用いています。

その他
シュロは、ワジュロ、スロノキともいって、九州南部の原産です。
日本で栽培されるヤシ科の植物では、最も耐寒性が強く本州中部などでも栽培ができます。


シュロ毛製品:葉柄の基部が三角状に広がっていて幹を巻いています。この部分の繊維をシュロ毛といい、耐湿性があり、しゅろ縄、たわし、ほうきなどに加工されていて日用品として利用されています。
昔には、シュロの葉を編んでハエたたきとして利用しました。

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Photo Masayuki Tsuno
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