薬草などの説明は、「医薬品医療機器等法」の範囲で対応しておりますが、不適切な表現などがある場合には、下記宛てにご連絡をお願い致します。
【注意事項】
各薬草ホームページの薬草コンテンツの説明・効能・用法などの説明は、薬理実験及び一般的な民間薬としての説明であり、「イー薬草・ドット・コム」などが保障するものでは、ありません。
【薬草参考文献】
水野瑞夫/家庭の民間薬・漢方薬、一般社団法人和ハーブ協会/和ハーブ図鑑、A・シエヴァリエ/世界薬用植物百科事典、牧野富太郎/日本植物図鑑、原色高山植物大図鑑、原色日本薬用植物図鑑、原色日本樹木図鑑、伊澤一男/薬用カラー大事典、橋本郁三/食べられる野生植物大事典、田中孝治/薬になる植物百科、水野瑞夫/食効、所鳳弘/薬草染、山渓/日本の野草・樹木・高山植物、山渓/樹に咲く花1・2・5・8、山渓/野草の名前春・夏・秋冬、木の大百科、木の名の由来、植物名の由来、園芸植物名の由来、草木染、続草木染
●当サイトはリンクフリーです。
●画像・文章等、当サイトの情報は著作権上無断で使用・引用できません。必ずお問い合わせください。
【監修】一般社団法人 和ハーブ協会
 

エンジュ              (マメ科クララ属:落葉性高木:樹高 〜20メートル:花期 〜8月)

薬効
吐血・喀血(かっけつ) 鼻血(はなぢ) 歯ぐきの炎症 子宮出血
 
分布生育場所

科名:マメ科/属名:クララ属
和名:槐/学名:Sophora japonica
中国原産、日本全土の街路樹に利用。家庭庭園にも植えられています。

マメ科クララ属クララ(苦参)

エンジュの花エンジュの果実
(←拡大画像はクリックします)

見分け方・特徴

落葉性の高木で15〜20メートルくらいになります。幹は直立して分枝して、小枝は緑色です。
葉は奇数羽状複葉で互生し、小葉は10〜20対あって卵状長円形か卵状長皮針形で、長さは2.5〜5センチ、幅は1.5〜2.6センチで上面は濃緑色で下面は、やや白くなっています。
8月ころに枝先に複総状花序をつけ、白色の長さ1.5センチの豆形花を多数つけます。
果実は長さ2.5〜5センチの豆果で、くびれがあり、やや肉質の連珠状です。
種子は1〜6粒ずつ入っています。

エンジュに似た植物にイヌエンジュなどがあります、庭園や街路樹として植えられていますが、花が密につき、さやが扁長楕円形であることから区別されます。
また、イヌエンジュはルチンの原料には適しません。材の木目が美しいことから紫檀の代用に利用され、薬効は期待できません。


採集と調整
開花直前のエンジュの花のつぼみを採取して日干しにします。これを生薬の槐花(かいか)または槐米(かいべい)といいます。また、葉を槐葉(かいよう)、果実を槐角(かいかく)、若い枝を槐枝(かいし)、根を槐根(かいこん)、幹および根からコルク層を取り除いた皮部を槐白皮(かいはくひ)、幹から出る樹脂を槐膠(かいこう)といいます。すべてが薬用になります。


薬効・用い方
有効成分は、ルチンを約20%含み、クエルセチン、ベツリンなどを含む

おもに蕾(つぼみ)「槐花(かいか)」と果実「槐角(かいかく)」が用いられます。止血剤として、痔出血、子宮出血、腸出血、吐血、目の出血、鼻血などに、また、脳出血の予防にも槐花(かいか)や槐角(かいかく)を用います。

1回量として5〜10グラムに水0.2リットルを加えて煎じ、約半分の量にまで煮詰めて空腹時に服用します。また、痔の出血や痛み、かゆみには槐花(かいか)や槐葉(かいよう)を粉末にしてつけるか、煎じ汁で洗います。歯ぐきの出血、口内の出血には槐花(かいか)を炒って細かく砕き、粉末にしてこれを患部に擦り込みます。


その他
エンジュは街路樹に利用されて土用の暑い盛りに花をつけ初めて、花後には枝豆のような実をつけます。
中国原産で日本には古くに薬木として入ってきました。いまでは、世界の各地で栽植されています。
エンジュ(和名)、槐(かい・中国名)で学名はソホラ・ヤポニカで、日本産のエンジュの意味が付いています。その当時はエンジュは日本原産と考えられていたようです。

槐花(かいか)はルチンの抽出原料として広く知られています。
ルチンとは血管の補強、毛細血管の強化作用があり、脳出血の予防などに用いられます。



左上イー薬草・ドット・コム・安心安全の健康食品のネット販売をクリックするとメインページへ戻ります。
Photo Masayuki Tsuno
E-yakusou.com 2-6-2,sakaihigashi,nishi-ku,Niigata-shi,950-2041,Japan