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イチイ           (イチイ科イチイ属:常緑針葉樹:樹高 ~20メートル:花期 ~4月)

薬効
糖尿病 小便不利 せき・たん 通径薬
       
分布生育場所

科名:イチイ科/属名:イチイ属
和名:一位/学名:Taxus cuspidata
北海道、本州、四国、九州に自生して、サハリン、南千島、朝鮮半島、中国、シベリアに分布。
本州の日本海側の秋田県真昼岳~鳥取県伯耆大山までの高山~亜高山の多雪地帯に自生するキャラボク

イチイ科イチイ属キャラボク(伽羅木)
イチイ科カヤ属カヤ
イチイ科カヤ属チャボガヤ


(←拡大画像はクリックします)

見分け方・特徴

常緑の針葉樹で、樹高18メートルにもなり、樹皮は赤褐色をしており、庭園樹として植えられていますが、低木型で伸長せず枝張りが盛んな一変種キャラボクが多いようです。
葉は、長さ1.2~2.7センチ羽状で左右の2列に出ますが、キャラボクでは放射状に出て、上面は深緑色、下面は青白色です。
花は、雌雄異株で、3~4月ころに黄褐色の花をつけます。
9月ころに種子は赤色の仮種皮に包まれて成熟します。
仮種皮は甘味があり、美味しく食べられますが、種子は有毒です。仮種皮が黄色のものをキミノオンコといい、北海道にまれに産します。



採集と調整
葉を採取して水洗いして、天日で乾燥した物を、生薬で一位葉(いちよう)といいます。



薬効・用い方
利尿、通径薬として、また糖尿病に一位葉(いちよう)を用います。一位葉(いちよう)を1日5~10グラムに水0.4リットルを加えて煎じ、約2分の1量まで煮詰めたものを3回に分けて食間に服用します。

オンコ酒
9~10月ころに甘味のよく出た偽果(ぎか)を採取して、水洗いしてよく水を切り、紅色の仮種皮はよりわけて仮種皮の量の2~3倍量のホワイトリカーを入れて、漬け込みます。よく成熟するには約6ヶ月かかりますが、3ヶ月程度から飲用できます。
甘味は成熟後、砂糖でつける方が良いようです。色は美しいコハク色になります。
緩下、せき止めに効き目があるとされています。



その他
しゃくは高官が儀式のときに持つ板切れですが「延喜式(えんぎしき・927)」からイチイの材で作られるようになったとされています。平安時代は別の材で作られていたようです。
正一位、従一位などの位の名称からイチイの名が生まれました。
しゃくの材料には、飛騨の位山(くらいやま)産のイチイがおもに用いれられたようです。

この地方はイチイの巨木が多く、保護林とされていた時代もありましたが、戦後伐採されてしまいました。
飛騨の高山はイチイの材質が緻密で、やや堅く心材は赤紫色で光沢に富み、くるいがないので工芸用材としてイチイ細工が盛んで家具や彫刻が有名です。


別名にアララギ、オンコなどがあり、アイヌはこの木の心材を、良く枯らしてから熱を加えて曲げて弓にするそうです。
心材は暗赤色の色素を含むので、砕いて水に浸して暗赤色の染料にすることもあります。




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Photo Masayuki Tsuno
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